辿り着いた血漿交換/免疫吸着プロトコル

国立精神は日本で最も血漿交換/免疫吸着療法を行っている病院の一つです。
そこで蓄積された経験から確立された方法・手順(プロトコル)で治療が行われます。
ポイントは2つです。

1.脱血用と返血/送血用と2本の針を実施の度に刺し留置しない
2.まずは手首の静脈から試し最終手段として頸静脈を使用する

私が以前入院していた病院では1本針を頸静脈に留置していました。
脳に近いところから血を取った方が良いからその様にしているのだと思っていましたが、全然違うということが分かりました。
ちなみに1本の針でなぜ脱血と返血/送血ができるのかというと針の中が隔壁で3つに分かれていて脱血用、返血/送血用、輸血用と穴が針先と途中(サイドホール)に空いているのです。[1]
凄い技術力だと思います。
なぜ1本かというと透析患者は圧倒的に針を刺す回数が多く少しでも負担を減らすためだと思われます。刺しすぎると静脈瘤とかのリスクが増えそうです。

1.脱血用と返血/送血用と2本の針を実施の度に刺し留置しない

なぜ2本かというと効率が全然違うからです。
1本の場合はどうしても一部の血が再循環してしまうのです。[2]
また、長く留置しているうちに血流が確保できなくなることがあり、逆接といって脱血用、返血/送血用の穴を入れ替えて使う場合があります。
この場合はさらに再循環する量が増えます。私は免疫吸着が劇的に効く稀な例のため分かったのですが、逆接を行ったときは全然効果が違いました。
さらに留置は感染症のリスクも高まります。多発性硬化症の患者は私を含め再発防止薬によって免疫が低下しているためなおさらです。
留置するメリットもあって毎回太い針を刺すことによる負担が減ります。

国立精神ではこのため留置もせず1本針も使わないそうです。
また、同じ腕でもできるだけ離れた血管にそれぞれ針を刺すそうです。
針を刺す負担は、ペンレステープという事前に暫く張る皮j膚麻酔を使うことで、ある程度低減する策を講じています。

2.まずは手首の静脈から試し最終手段として頸静脈を使用する

成人の人間の体には約6Lの血があり廻っています。
よってどこから取って濾過しても効果は変わりません。(よく考えたら当然ですが分かっていませんでした・・)
問題は機器がちゃんど動作して効果のでる「必要な血流が確保できるか」です。
頸静脈は人間の体の中で最も太いため十分な血流が得られます。ただ患者は苦痛です。
なので国立精神では他の静脈からどうしても取れない場合に最後に使うそうです。

普通の免疫吸着療法では使っている濾過装置のキャパシティの影響で1回の処理量は1.6L-2Lが限界です。
また、吸着にも2種類あるのですが普通の吸着は良いもの(病気に関係ない)も悪いもの(病気の要因)も取ってしまうため、人によっては強い副作用が出る場合があります。
そのため国利精神では1.6L、週2回で行うそうです。

ちなみに2種類は、
普通の方法がIAPPといい、体から取り出した血を分離膜で血漿とそれ以外に分離した後に、プラズマフローという濾過装置で原因物質をほぼ100%近く除去し、血液製剤を使用する必要がないため日本で主流だそうです。
もう一つの方法がDFPP(二重膜濾過血漿交換)といい、難しい仕組みで、分離した血漿から分子量の差?で原因物質を濾過し、少量の血液製剤を補充する方法で、IAPPより広範囲に除去可能で、副作用が強く出る人も血液製剤を補充することで負担を軽減できるそうです。

[1] asta muse トリプルルーメンカテーテル

[2] 臨床工学技士TAKAの本音 透析での血液再循環の原因と対策について

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